今回の入院でも様々な人々と出会いました。
どの出会いも印象的であったが、
数名の患者さんとスタッフのお話をご紹介
しようと思います。
かっちゃんも思わず世を憂いだり、笑顔になったり、現代社会の縮図のような出来事がありました。
ぜひ一緒に考えてみて欲しいのです!
病院での出会いシリーズパート3です
大腸腫瘍手術での病室仲間
こんな人達を見た!
私は入院期間中ずっと個室に入れる程の稼ぎじゃないので手術後の数日間のみ個室で過ごし、
それ以外はずっと4人部屋で療養にしていました。
最近の入院日数は多くの手術法、治療法が確立されて昔の入院よりとても短いものになっています。
ですから、
患者さんの出入りがとても激しいのです。部屋を交代することも多く、
私は1か月の入院期間中、ICU(集中治療室)を含めて7回部屋が変わりました。
個室や二人部屋、ICUは他の患者さんとの交流がほとんどありませんが、
4人部屋では多くの問題が発生しました。
痛み等がなかったので良く観察が出来ましたので、
患者と一番接触する看護師さんの苦労が前回の入院より更に良く分かりました。
そして各看護師さんの個性で、そんな難しい場面も笑顔で切り抜ける人もいれば、怒って対応する人もいて
これからの人生の勉強になりました。
私の部屋には私を含めてすぐに手術の必要な重症の患者さんが多く、はっきり言えばガンの患者さんばかりでした。
上記のリンクの登場人物以外に、
耳の聞こえにくい老人がいまして、
この方のハプニングが一番多くて、記憶にとても残っています。
この老人にも、看護師、医師、家族全ての方にも悪気があるわけでもないのにトラブルになってしまうのです。
いつも良い方に期待してしまいました!
この方、いつも薬を飲む時に、「白湯(さゆ)下さい」と言うのですが、滑舌が悪く、そう聞こえません。
スタッフも苦戦します。白湯がしょうゆに聞こえたり、さじに聞こえたりで何度も聞き返したりで
病室全体がこの「白湯ください」でなごむのでした。そしてこの一言を待っていたと思います。
いつも酸素ボンベを引いて歩いている方で、酸素ボンベの操作方法を間違っていたので(私は詳しく分かりませんが)音をシューシューさせていましたね。
聞こえないのでしょうね!同じ操作の説明を何回もされるので、
「トイレに行く時は…にして、戻ってきたら…」
やらなくていい私の方が覚えてしまった!
また、
独り言の声が大きくて、よく看護師に注意を受けていました。私たちに気を遣ってくれたのでしょうが、
私はその九州方面の訛りある言葉に温かみを感じ、ほほえましく聞いていました。
他の二人も黙って聞いていましたからね!
その独り言で、この方がどこの生まれで、家族構成、昔の仕事について、運転免許を返納したことまで知っているのです。
重症患者さんが多くピリピリしたムードの中、私はいい部屋に来れたと思いました。
こんな環境が耐えられず、叫び出す人もいたりして時として修羅場になります。
ストレス社会を物語る患者さん
こんな女の子を見た!
入院して数日後の事でした。
外来診察が終わりかけの夕方5時以降は、各科のフロアにも外来患者さんの姿はほとんどなくなり格好のリハビリウォーキングの場と変貌する。
階段を上り下り、飽きないためにもコースを変えて各診察科を歩くのが夕方の日課であった。
その日、
精神科の前を通ると最後の患者さんらしい高校生の女の子が1人立っていた。
何となく気にはなったのだが一旦通り過ぎ
また同じ道を戻ってみると、その女の子も病院出口の方に向かって歩き始めた。
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何を悩ませているのだ!
この世の中は…
瞬時に我が娘とシンクロする
歩く姿がとてもふらついていて危なっかしい!
すると横を通り過ぎる瞬間、
私の前で倒れ込んでしまった。
手足が激しくけいれんして、泣きじゃくっていた。
私が抱きかかえ辺りを見渡すと、医師と看護師が駆けつけて対応してくれました。
一応、精神科からの一部始終を伝えてあとはお願いしました。
私も心療内科を受診したことのある身!似たような辛さの経験者である。
泣けてきた!
彼女のその後の無事を祈らずにはいられなかった。
そして、
この夜は感傷的になり、妻や子供達にそれぞれLINEそしてTwitterで私らしくないメッセージを送っていました。
立て!マザコン男子高校生よ!
こんな二人を見た!
お馴染みの長いトレーニング場でいつもすれ違い、寄り添い歩く親子連れがいました。
最初は仲のいい母子の見舞い客だと思っていたのですが、次の日にもすれ違い、数回会う。
母親が入院していて、母のリハビリに付き添う感心な息子だ!そう思っていました。
でも、
寄り添い方が異常なのです。
はっきり言ってマザコンもろ出しです。
私の息子は親離れが早く、親と歩く事も嫌がるタイプでしたし、私も子供の頃、父母の側にいるのも嫌なタイプでした。
自分の子育でも自立が一番大事だと思っていますし、この親子とすれ違うと、とてつもない違和感に覆われます。
出会って、3日目には彼の方が入院患者である事が分かりました。
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いい年をして一人で歩けばいいじゃん
いつもそう思ってすれ違っていたのですが、
ある日、
彼が一人で私と同じように何往復もしているのです
嬉しくなって、すれ違いざまサムアップすると恥ずかしそうに会釈で答えてくれました。
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あんなおじさんが一人で頑張っているから
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心の声が聞こえたぞ!
すみっコ暮らしの研修医
こんな集団を見た!
勝手な思い込みですが
医学生(医師)と言えば、私のような高校もろくに行っていない人間から見れば
エリート中のエリートで、
学生の頃から多くの事にもてはやされていて恵まれた人種であると思い込んでいました。
私から見れば遠い存在なのです。
私は仕事柄、学生と話す機会が沢山あったのですが、どうしても苦手な存在でした。
ゼネレーションギャップ、学歴コンプレックスが邪魔をしていたと思います。
しかし、
こんな場面に出くわして、その誤解が解けたのです。
ある日、検査の都合で昼食の時間が過ぎて私の分が準備されていなかった。
普通、病院側の手違いなので改めて準備してくれるのですが、
笑顔で許してあげました。
何故なら、コンビニで好きな物を買って食べようと思ったからです。
糖尿食はとても貧相ですし、
医師の許可がもらえれば遠慮せずに久しぶりに好きな物を食べれるわけですから。
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ひっひっひっ!
でも、
食事の時間から相当過ぎているから病室で食べるのは気が引けます。
食事制限をしている患者さんも多く、敏感です。
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そうだ!あそこで食べよう!
場所が瞬時に頭に浮かびました
2階のフロアに患者さんがあまり知らない行き止まりの絶好の場所がある!
コンビニで、牛丼、ラザニア、プリン、コーラを買って急いで私のレストランに向かいました。
するとどうでしょう!
先客が5名ほどいます。
10人くらい座れる対座に配置された長椅子だけの狭い空間なのですが、
研修医や看護師の卵が遅い昼食を食べながら難しい本とにらめっこしています。
ゆっくりと食事をする場所もないのでしょう。
そしてなんと質素な食事!
おにぎり、少しのサンドイッチ!
私は買ってきたものを開けるのが恥ずかしくなって
すぐに立ち上がり誰もいない3階のトレーニング場所にある椅子で食べました。
病院で一番心が寂しくなった食事でした。
この病院を選んで良かったと心から思え、
自分の子供達がこのように育ってほしいとものだと心から思いました。
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いい年をして、何をやっているんだお前は!
採血が上手くいかなくて患者に怒られ、寮と病棟の往復だけで数か月たったと話してくれた北海道出身の若き研修医!
口うるさいけどいつも声を掛けてくれる掃除のおばちゃん!
いつ自宅に帰っているのか不明ないつもフロアを駆けずり回る指導的立場の先生!
家族からののしられながらも気丈に対応する看護師!
様々なスタッフに支えられている実感。
苦しいのは患者だけではなく、スタッフも苦しみながらもやりがいと現実のギャップと闘いながら日々の業務にあたっているんですね。
いつもながら感謝しかない!
もう一度言います。
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