今度はガン治療の病棟でのお話です
一旦、糖尿病の治療はメトグルコという薬を飲むだけにして、1週間に1回くらいに糖尿の先生が顔を出し様子を見に来てくれます
あとは前述した下部消化器外科の先生がメインとなります
手術に向けての準備が始まります
歯科医師の一言
まず、手術の準備のための歯の応急処置でのことです
グラグラして不安定になっている歯を隣の歯にくっつけて固定します。手術の時にマウスピースのような管を口に入れますが、管を噛んだ時に歯が折れるのを防ぐための処置となるのです
完全にノーマークなところでした
その時の担当歯科医師の言葉が忘れられません
40歳くらいの女性医師曰く、
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歯はその人の人生を物語っていますよ
と…
説得力があり、「あなたの今までの人生はひどいね!」って言われているみたい
そんな嫌味な言い方ではありませんでしたよ
でもその通りです!人前で話すことの多い仕事なのですが、45歳くらいから部分入れ歯で職業的に致命的なのです。
話し方においては完全にろれつが回らない状態で、マスクをしてお客様に対応しなくてはいけない…
中学生の時には歯科医師に褒めてもらえるほどの歯の状態だったのに
どうしてしまったんだ!
小さい頃、祖父と祖母が入れ歯を湯飲みに入れていて「うわー気持ち悪るー」なんてことを思い出した
こんなにおしゃれじゃない!
現在では自分が入れ歯のケアをするのにもこそこそと…
家族は父親の入れ歯をうすうす分かっているだろうし、ショックだろうな!
口臭や歯並びが気になり
そのことで最近は人と話すことがもっと苦手になってしまった
インプラントは費用が相当掛かるし、糖尿病では治療ができにくい
人生が消極的になっている要因の相当を占めています
仕事がうまくいかなくなっている
何より食べることに相当悪影響が出ていると思うのです
よく噛めないから消化に負担がかかる
皆さんはそうならないように!
半年に一回は歯石を取りに行って、指導を受けましょう
点滴を治してくれた研修医
妻にも内緒の出来事がありました
私は友人が近くにいないので妻が一番の親友にもなります
その妻にも話さなかった話です
彼は本当に寄り添ってくれました。駆け出しの研修医らしいのですが、とにかく気が付いて動いてくれます
一度、看護師さんに注意されていました
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そこは私たちの仕事です!
手を出さないでください!
そこまでやらなくていいですよ
私にはどこまでが誰の仕事の領域か分かりませんが、食事を持ってきてくれたり、布団を治してくれたりそこまでする必要はないのだろうけど、私たち患者から見るとその親切がありがたいのです。
簡単にできない事ですよ!思い出してみると彼の年齢の頃の私は定職にも就かず親のすねをかじってました
何の利害関係もないイチ患者にですよ!
人気投票でもあって腹黒い目的があったとしてもできるもんじゃない
そんなアンケートなんてありゃしないし!
点滴が漏れていてアラームが鳴って夜中に起きた時も彼が真っ先に駆けつけていました
私の寝相が悪さで液が漏れてしまい、その対応がまた上手くいかない!
お互いが超低姿勢での対応!
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手際が悪くてすみません
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寝相悪くてごめんな
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ちょっと先生呼んできます
また夜中に指導医に怒られてしまうのかと心配になった
本当の医師のあるべき姿、いえ社会人、大人としての手本を若い研修医に見ました
人に寄り添うというのはこういうものなのだとこの青年医師から学びました
いつも爽やかで、怒られている時も学んでいる眼差しで、ふて腐れるなんてない
後ろ姿に素晴らしい医師の姿しか見えません
まっすぐに伸びてほしい
この食い意地の張った私が、自分のために買った低カロリーチョコレートを彼にプレゼントしました
人にあげるなんてしたこともない私がです
凄い事ですよ!
「ありがとうございます」
と頭を下げて受け取ってくれた好青年に
自分の息子もこうなってほしいものだと思わずにはいられなかった
担当主任医師
私を担当してくれた先生は、このフロアのエース的存在!
いつも病棟にいて、3日くらい自宅に帰らないこともあるような忙しい方です
私より年下ですが、大人としてシャキッとしています
口調も穏やかでエリートを思わせる人
いつも駆け回っています
どこからともなく声がかかり呼ばれています
場面は忘れてしまいましたが、こんな会話を耳にしました
「先輩風呂入ってないでしょ?」
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匂うか?
「いえ、昨日と同じシャツじゃないですか…」
そんな会話でした
誤解しないでください
不衛生だとか言いたいのではなく、それだけ
熱意が感じられるということなのです
患者の状態を把握している先生がそばにいることがどれだけ心強い事なのか
後輩医師への指導ぶりも私にはない能力を見せつけられた
この先生は周囲の先生(教授も含む)の存在がかすんでしまいました
器がでかいとはこういうことだったのだ!
身体を治してもらい、心も豊かにして頂いた
心より感謝します
もし、この病気の再発があればまたこの先生にお願いしたいものです
看護師の皆さん
手術後の痛みで暴言を吐いて嫌な思いをさせてしまったであろう看護師さんへ
強烈な痛みからくるもです。許してくださいね
本当に申し訳ありません
あなたたちの仕事ぶりは1000パーセント認めます
罵詈雑言を吐きました
ナースコール押しっぱなし
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いてーっ あーっ
何やってんだよ!
あーっ! 早くしろよ!
本来麻酔をした状態での手術後の痛みのコントロールなのでしょうが、あるハプニングの発生により麻酔の管を外す決断!
どうして麻酔を外さなくてはいけなかったのか?
手術直後に麻酔を外したらどうなるのか?
麻酔の説明はよく聞こう
半日くらいもがき苦しんで痛みが少しづつ収まってくると
別の部屋からも意外と聞こえてくる
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痛い―
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早く来てー
叫びが聞こえてきます
それまでは聞こえてなかった声が聞こえてくるのです
そんな
戦場のようなところで看護師さんの奮闘は続くのです
優しい笑顔はなくなっていますけど、無視せず声をかけ続け対処してくれました
深夜、手が回らずナースコールが鳴りっぱなしだけど、駆けずり回っていたこと見てましたよ
ありがとう!
凄い感謝されるけど割に合わないよな
仕事として割り切ってもできないよ! ここまで
痛みが和らぐと一応謝りました。
どの看護師さんに悪態をついたのかわからなかったけど…
「麻酔外したんだから当たり前ですよ!」
「頑張りましたよね」って言ってくれました
感謝の気持ちと言ってチョコレートをあげました
「ありがとう」と言って受け取ってくれて
うれしかった!
悪気のなかったことが伝わりました
チョコレート1つがアイテムになることも学びました
全部食べてしまっていたのを少し残して分け与える喜びも見つけました
担当研修医
最初の入院からガン手術前から一番身近にいたのは、若い女医さんでした
一番付き添ってくれました
何故か病室から遠く離れたところで落ち込んでいても目の前を通り、ひと声掛けてくれる
採血以外はいつも主任の横でうなずくだけ
でも一番話した人
出身地が同じ地方で話が盛り上がったり、話に付き合ってくれましたね
何気に産科の前でボーっとしていると横にスーッと座って「この科に関係のない人が座っている時はいつも優しい表情なんですよ!」と話しかけてくれましたね
産科の前では生まれたばかりの赤ちゃんやお腹の大きな妊婦さんの姿があり、多くのパワーをもらいに行きました。だから、渾身のコメント返したのを覚えています
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パワースポットですから
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パワースポットねー
ほかの人にも教えよーっと
そんな感じでした
夜中にトイレで苦しんでいると
「大丈夫ですか?」
節目節目に彼女がいたのです
最後の一言は、退院前の暗い廊下
一人で「助かったー」と
ガラにもなく心から神に感謝していると
実は泣いていました
スーッと横に座って何かを察すると
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頑張りましたね、
でもこれからの頑張りが大切なんですよ!
そして大変なんですから
と声をかけてくれました
無言でうなずきました
皆さんプロフェッショナルとして仕事をしただけなのかもしれませんが、自分の仕事に迷わず真正面から取り組んでいる姿に、いい年をして大人になりきってない自分の姿だけ残った気がします
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