賢明なスタッフの処置にてこの世に呼び戻してもらえた。記憶が断片的ではあったが刺激的なICUの体験であった。
ICUには3日間滞在し、あとは8階の循環器科に移動しての治療となりました。
小さい個室に変わり、重症患者が位置するナースステーションの目の前の病室であった。
稼ぎの少ない私にとって個室なんて贅沢ではあるが二日間とても静かな戦いをさせてもらった。
循環器科の入院生活開始
ICUでの集中治療のお陰で、三途の川を渡ることはありませんでした。
首が少々左右に動いて、全身を少し動かせるくらいに回復するとすぐさま一般病棟に移ることになります。
本来治療を受けるのは9階の
下部消化器外科のフロアなのですが、
前記の通り大腸腫瘍切除開腹手術の数時間後に発症した急性心筋梗塞治療の為、
再度緊急オペを行った事で
治療の担当が循環器科に急遽変更になったのです。
ICUでは耳と目から悪い情報が入ってきて、身動きが制限され弱り切った身体には相当堪えました!
しかし、
一般病棟に移動できるということは、スタッフに言われなくとも命の危機は脱出できたのだと自分を安心させる材料には十分でした。
この時点での私の状況は、ICUにいる時にしていた酸素マスクがなくなった事が違うくらいであとは繋がれた管や点滴、心電図の電極、等は全く一緒でした。
重症感は否めませんね!
しかし、身体が動かない状態(左足が全く上がらない、手足がしびれる)は軽減されて、手元が動かせてベッドの傾斜を変え携帯のボタン操作ができるようになり、妻が自宅に帰ってもラインで愚痴を伝えることができたのは一番の薬になったと今振り返れば言えると思います。
コンタクトが装着出来ず、遠くのものは見えませんでしたが、幸い老眼なので近くのものがハッキリと見え携帯画面がバッチリ見える!
携帯を操作することが唯一の情報取りと気を紛らわす役立ちツールとなったのです。
食事を断る。
私は55年間生きてきた中で自慢できることがある。
それは、
人様が作ってくれた食事を断った事がほとんどないという事!
そしてそれを残さない事も…
作ってくれた人への感謝のつもりでしていることで、それが糖尿病を発症した原因じゃないかと言われると二の句がないが、
これからも続けていこうとは思っています。
前回の入院でも病院食は全部食べて残す事はありませんでした。
そんな私が、
初めて食事に全く手を付けられませんでした。
病院の食事は量的にいつも足りなくて不満だった私がですよ!
すいません!食べれません!
全く手を付けることが出来ませんでした。とてつもないショックで、
またまた自信を無くした瞬間でした。
ここから体重の減少がしばらく止まりませんでした。
腸閉塞(イレウス)の可能性
食事事件で、へこんでいる私にまた襲い掛かってくるものがありました。
何も食べてないのにお腹が張って苦しくて眠れない!少し吐き気もある。
すぐに看護師さんに訴え、医師が駆けつけます。
大便、ガスは出ましたか?
お腹を触診しながら聞かれました。
全く出ません
腸閉塞の疑いがあるのでもっと症状がひどくなったら緊急手術になる可能性がありますね!
と伝えられました。
腸閉塞(イレウス)のことは前回手術からよく知っています。
- 腸がくっついてしまったり(癒着)ねじれたり(捻転)して詰まるもの
- 腸の一部が麻痺して動かなくなるもの
の大きく分けて2つあることを前回の入院で教わっていたので、
日頃の生活についても注意をしていたので怖さは百も承知!
大腸の手術経験者はとても気をつけなくてはいけない事なのです。
ここまでで最初の大腸がん手術を経験して丸2年経っていますが完全なる腸閉塞の経験は幸いありませんでしたが、腸閉塞直前まで至った事はあるのではないかと思います。
心当たりのある症状としては、
これが流動してくれないと相当苦しくなるのでしょう!
こんな事を経験済みだったので、
また手術か?
この時思わず、妻にLINEで食事が出て断った事とお腹の張りについて報告しました。余計な心配をかけてしまいました
ちなみに、この時の張りは今までの張る位置とは異なり、おへその下あたりだったので不安は増幅していました。
お腹の張りは依然続いて眠れませんでしたが、これは次の日の明け方便意と共に
大放屁で解決!!
姿勢が辛くて寝返りをした瞬間に ブー!!
ヤバいガス以外も出た!
出ませんでしたけどそんな感じで無事腸が開通したことを実感し、開通を看護師さんに朝イチで報告し、消化器外科特有の変な喜び方を若い女性看護師と分かち合いました。
良かったですね!ガスが出て
傷口の痛み、紙オムツの重圧
しかし、調子はの悪さは続く!!
手術痕の痛みをこの時くらいから感じ始め、30センチ近くお腹を切った傷口がズキズキしてきました。特におへその上の方がジュクジュクして痛痒い感じです。
お腹の張りにかき消されていたのかもしれません。
ただ、前回の経験でどのような起き方をすれば楽になるのか分かっているので、前回の大腸がん切除の時よりは遥かに楽に感じてはいました。
私の経験したリアル痛みランキングをご覧ください!
今回は痛み止めのボタンをしっかりと握りしめていましたし…
あとは、
オムツかぶれにも苦しめられました。実際は何も出てないのだが痛くて痒い!紙オムツをしていることがとても気になるのです。気持ちが悪いのです。漏れそうだし…
少し楽になったと言いましたが、自由に動けないもどかしさは気が狂いそうでした。
前回手術で痛めた右肩もズキズキ痛み始めてどんな姿勢をとっても辛い!
驚異の回復力
この部屋での2日目は、朝食は手付かずだったが、昼食からやっと食べ始めることが出来ました。半分残しに終わりましたが…
昼食後のあと、担当の研修医がやってきてリハビリに誘います。患者用に配られたプリントを熟読しながら進めていきます。初めてやることを最初に宣言してなので嫌な感じがなく逆に好印象の青年医師でした。後のお話に登場するのですが…
立ち上がるリハビリにチャレンジし無事成功させましたが、平衡感覚が相当弱まったのか、立ち眩みが相当ひどかった。
しかし、自分で携帯やメガネ等はベッドから取れるようになった。
ガスが出て腸閉塞の心配は無くなったが、レントゲン撮影をしましょうとの事。
まだベッド上で起き上がれるくらいでレントゲン撮影をする予定です!と言われたので
とても移動は無理!
そう思って看護師さんに伝えると
大丈夫ですよ向こうから来ますから…
そうだった!
以前、他の患者さんがやっていたことを目撃していたこと思い出しました。
重病感ありありの病室内での撮影です。
強烈にゴリゴリマッチョで強面の技師さんが登場し、
我が病室が一瞬凍り付く!
話し始めると別人に早変わり
オネエ言葉で場が和らぐ、和らぐ…
素人考えでは、レントゲン撮影は放射線のイメージで危険なもの
安全の為に厳重なコンクリートに囲まれたところで行われるものという固定観念がありましたが
時代は私より相当先に進んでいるのですね!
思ったよりコンパクトで簡単に移動できるシステムで
将来はもっと手軽に安全にエックス線撮影ができるようになるのでしょうね!
その後すぐに腸閉塞の心配はないとお墨付きをもらいました。
手術以降の数日間は、顔や手を洗ったりできない状態でしたので、身体を拭いてもらい(これはいつも大いに照れます。慣れません)スッキリしました。
この時初めてオムツが真っ白のキレイな状態だったことを知り、看護師さんに大いに迷惑をかけると心配していたのですが取り越し苦労に終わりました。
いい年したおっさんが身動きが取れないとはいえ下の世話をされるのは…
このあと体温が38,7度まで上昇し、点滴への薬剤の投入がありました。この事も少なからず影響があって、
夕食はまたほとんど食べれず食欲はこれから数日回復する事がありませんでした。
夜になって2つツイッター投稿した
ボヤキを受け止めてくれるのがとても嬉しい
眠れない夜にこのようなモニターでカラオケ店と表現して悲壮感を自分なりに払拭しようとした!
この画像では素直な想いを語ったつもりです。
ここにどうしても書かなくてはいけないことがある。
ツイッターでフォロワーさんとの出会いでした。もちろん会った事もない方々ですが、考え方などを学ばせてもらい
拙い報告をさせてもらい幾度となく勇気をもらい、涙し、続けてこれこました。
この場を借りて
心より感謝します!
強気になったり弱気になったり…
今でも付き合ってくれる頼もしい味方
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